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外壁材別

2026年2月7日

モルタル外壁のメンテナンス|ひび割れへの正しい対処と塗料選びを塗装一筋40年の親方が解説

築30年以上の戸建てに多く採用されている「モルタル外壁」。サイディングが主流になる前の時代に建てられた住宅の多くは、このモルタル外壁です。一方、近年の新築住宅で採用されることは少なくなったため、「うちの家のメンテナンス方法を知りたい」「サイディングとどう違うのか」というご相談をワジャサーには多くいただきます。

結論からお伝えすると、モルタル外壁はサイディングと比べてメンテナンス頻度が高くなりがちで、特にひび割れ(クラック)への対処が重要です。職人の腕で品質が大きく左右され、塗料選びにも独特の注意点があります。一方、適切にメンテナンスを続ければ、築40年・50年と長く住み続けられる外壁材でもあります。

東京・神奈川・千葉・埼玉で塗装一筋40年・16,000件超を施工してきた職人直営のワジャサーが、モルタル外壁の特徴、ひび割れ補修の正しい方法、塗料選び、業者の手抜き手口を、現場経験から正直にお伝えします。

モルタル外壁とは

まず、モルタル外壁の基礎知識を整理します。

職人が現場で塗り付ける従来工法

モルタル外壁は、セメント・砂・水を混ぜて作る「モルタル」を、職人が壁面に塗り付けて仕上げる外壁工法です。1990年代以前の戸建て住宅では主流の外壁工法で、現在も築30年以上の住宅に多く残っています。

サイディング外壁が工場生産の板状外壁材を張り付けるのに対し、モルタル外壁は職人が現場で1棟ずつ仕上げます。職人の技術によって品質に差が出やすい一方、デザインの自由度が高く、独特の風合いが特徴です。

モルタル外壁の4つの仕上げ種類

モルタル外壁は、表面の仕上げによって以下の4種類に分かれます。

吹き付けタイル:ガンを使って塗料を吹き付けて仕上げる方法です。表面に独特の凹凸が出て、装飾性のある仕上がりになります。

スタッコ:塗料を厚めに吹き付け、凹凸のある重厚感のある仕上げです。耐久性が高い特徴があります。

リシン:細かい砂状の骨材を吹き付けた、ザラザラした仕上げです。比較的安価な仕上げ方法として、1980年代以前の住宅に多く使われました。

ジョリパット:ヨーロッパ風のデザイン性の高い仕上げです。職人の鏝(こて)使いで、独特のテクスチャを作ります。

ご自宅のモルタル外壁がどの仕上げかは、現地診断時にワジャサーの親方が確認します。仕上げによって、塗装時の対応も少しずつ異なります。

モルタル外壁の3つの特徴

モルタル外壁には、サイディング外壁とは異なる特徴があります。メンテナンスの観点で重要な3点を整理します。

特徴1:職人の腕で品質が決まる

モルタル外壁は、新築時の施工品質が職人の腕に大きく左右されます。同じ工法・同じ材料でも、職人によって仕上がりの均一性や耐久性に差が出ます。

築年数の経過したモルタル外壁では、新築時の施工品質が現在の劣化状態に影響しています。表面に大きなムラがある、剥がれが部分的に発生している、ひび割れの分布が不均一などの症状は、新築時の施工に起因していることがあります。

特徴2:防水機能は塗膜に依存

モルタル自体は、水を吸い込みやすい性質を持っています。新築時に塗布された塗膜が、防水機能の中心的な役割を果たしています。

つまり、塗膜が劣化すると、モルタル外壁は水を吸い込みやすくなります。これがサイディングと比べて、メンテナンス頻度が短くなりがちな理由です。

特徴3:ひび割れ(クラック)が発生しやすい

モルタル外壁の最大の特徴と言えるのが、ひび割れ(クラック)の発生しやすさです。乾燥収縮、地震、温度変化、建物の動きなど、さまざまな要因でひび割れが発生します。

ひび割れは「外壁の宿命」とも言えますが、放置すると防水機能の低下、外壁内部への雨水侵入、構造材の劣化につながります。正しい対処が重要です。

モルタル外壁の耐用年数とメンテナンス頻度

モルタル外壁の耐用年数とメンテナンス頻度を、サイディング外壁と比較して整理します。

観点

モルタル外壁

サイディング外壁

耐用年数

30〜40年

30〜40年

メンテナンス頻度

8〜12年ごと

10〜15年ごと

ひび割れ発生

多い

少ない

防水機能

塗膜依存

外壁材自体+塗膜

シーリング

少ない

多い

メンテナンス頻度がサイディングより短い傾向があるのは、モルタルが水を吸いやすく、ひび割れが発生しやすいためです。築30年以上の住宅では、過去に2〜3回の塗装メンテナンスを経ているのが一般的です。

ただし、これまでのメンテナンス頻度が低かった住宅では、塗膜の機能が完全に失われており、塗装だけでは対処できないケースもあります。

モルタル外壁に多いひび割れ(クラック)の種類

モルタル外壁では、3種類のひび割れが発生します。それぞれ補修方法が異なります。

ヘアークラック(軽症)

幅0.3ミリ以下の細いひび割れで、髪の毛のように細く見えるため「ヘアークラック」と呼ばれます。乾燥収縮や微細な動きで発生するため、ほぼすべてのモルタル外壁に存在します。

補修方法:弾性フィラー(弾力性のある下塗り材)を厚塗りすることで、ひび割れを埋めながら塗膜全体の強度を補強します。

構造クラック(中症)

幅0.3〜1.0ミリ程度のひび割れで、建物の構造的な動きによって発生します。外壁内部への雨水侵入のリスクが高まっています。

補修方法:専用のシーリング材を充填し、その上から塗装します。

Vカット工法対応のクラック(中〜重症)

ひび割れの深さが大きい場合、表面だけを補修しても効果が限定的です。「Vカット工法」は、ひび割れに沿ってV字型に切り込みを入れ、その溝にシーリング材をしっかり充填する補修方法です。

  • 表面補修よりも確実にひび割れを止められる

  • 長期的な防水性能を確保できる

  • 通常の補修より費用と工期がかかる

大きなクラック(重症)

幅1.0ミリ以上のひび割れは、構造的な問題を示すサインです。建物の歪み、地盤の沈下、構造材の劣化などが原因として考えられます。

補修方法:単純な塗装での対処は難しく、外壁材の部分張り替えや構造的な補修が必要なケースがあります。場合によっては建築士の診断を仰ぐべき状況です。

モルタル外壁の塗料選びのポイント

モルタル外壁の塗料選びには、サイディングとは異なる注意点があります。

ポイント1:弾性塗料が推奨される理由

モルタル外壁は、ひび割れが発生しやすい外壁です。新しい塗膜が硬く弾力性に乏しいと、下地のひび割れの動きに追従できず、すぐに塗膜にもひび割れが入ってしまいます。

このため、モルタル外壁には「弾性塗料」が推奨されます。弾性塗料は、ゴムのような弾力性を持ち、下地の動きに追従するため、ひび割れの発生・拡大を抑える効果があります。

ポイント2:透湿性のある塗料

モルタル外壁では、塗膜の透湿性も重要です。透湿性の低い塗料を塗ると、外壁内部の湿気が外に逃げられず、塗膜の膨れや剥がれの原因になります。

特に北面・日陰側の壁は、湿気がこもりやすいため、透湿性のある塗料を選ぶことが大切です。

ポイント3:塗料グレードの選択

モルタル外壁でも、シリコン・ラジカル・フッ素・無機といった塗料グレードの選択ができます。ただし、上記の弾性・透湿性という特性を備えた塗料を選ぶ必要があります。

ワジャサーでは、モルタル外壁の状態と立地に応じて、最適な弾性塗料・透湿性塗料をご提案します。

モルタル外壁の塗装で起こりやすい不具合

モルタル外壁の塗装では、特定の不具合が起こりやすい傾向があります。事前に知っておくと、施工時のチェックポイントになります。

不具合1:弾性塗料の「膨れ」

弾性塗料を厚塗りしすぎると、塗膜が「膨れ」を起こすことがあります。塗膜の内側で湿気が閉じ込められ、太陽光で熱せられて膨張するためです。

これを防ぐためには、適切な塗布量の厳守、十分な乾燥時間の確保、透湿性のある塗料の選択が重要です。

不具合2:ひび割れの再発

下地のひび割れを十分に補修せずに塗装すると、数か月から1〜2年で塗膜の上から再びひび割れが浮き出てきます。

ヘアークラックは弾性フィラー、構造クラックはシーリング材、深いひび割れはVカット工法と、それぞれに適した補修方法を選ぶことが重要です。

不具合3:色ムラ

モルタル外壁は、サイディングと比べて表面の凹凸が大きく、塗料の付着量が場所によって異なるため、色ムラが発生しやすい傾向があります。

ローラー塗装・吹き付け塗装の使い分け、塗布回数の調整など、職人の技術で色ムラを最小限にする必要があります。

モルタル外壁の張り替え(カバー工法)という選択肢

築40年以上のモルタル外壁では、塗装で対処することが難しくなるケースもあります。その場合の選択肢として、サイディングへの張り替え(カバー工法)が考えられます。

サイディング張り替え(カバー工法)

既存のモルタル外壁の上に、新しいサイディング外壁を張り付ける工法です。モルタル外壁を撤去せずに済むため、解体費用がかからないメリットがあります。

  • 対象:築40年以上で、モルタル外壁の劣化が著しい住宅

  • メリット:外観を新築同様にリフレッシュできる、メンテナンス頻度を大幅に下げられる

  • デメリット:費用が大きい、家全体の重量が増える

モルタル外壁を維持する選択肢

一方、メンテナンスを続けてモルタル外壁を維持する選択肢もあります。築40年以上でも、メンテナンスを丁寧に続けてきた住宅では、塗装で十分対応できるケースがあります。

「築年数が古いから張り替え」と訪問販売に言われても、必ずしも張り替えが必要とは限りません。現地診断で外壁の状態を正確に判断することが大切です。

モルタル外壁の塗装で業者が手抜きしやすいポイント

モルタル外壁の塗装では、業者が手抜きしやすいポイントが特にいくつかあります。

手口1:ひび割れ補修を省略

最も悪質な手抜き手口です。ひび割れを補修材で埋めずに、上から塗料を塗ってひび割れを「見えなくする」だけの工事です。

施工直後は綺麗に見えますが、数か月から1〜2年で塗膜の上からひび割れが再び浮き出てきます。

手口2:弾性塗料以外の塗料を使う

モルタル外壁には弾性塗料が推奨されますが、コストを下げるために通常の塗料を使う業者もあります。下地のひび割れに追従できず、塗膜の早期ひび割れにつながります。

見積書に「弾性○○塗料」と明記されているかを確認してください。

手口3:下塗りの工程数を減らす

モルタル外壁は塗料の吸い込みが激しいため、下塗りを2回行う4回塗りが推奨されます。下塗りを1回で済ます業者は、塗膜の密着性を犠牲にしています。

築年数の経った住宅では、下塗り2回の4回塗りを標準仕様にしている業者を選ぶことをおすすめします。

手口4:Vカット工法を省略

深いひび割れには、Vカット工法による確実な補修が必要です。これを省略してシーリング材を表面に塗っただけでは、根本的な解決にはなりません。

施工が終わると判別が難しいため、業者の信頼性を見極めることが大切です。

悪徳業者の見分け方については、別記事「外壁塗装の悪徳業者を見分ける12のチェックポイント」もご参照ください。

ワジャサーのモルタル外壁対応

ワジャサーは、モルタル外壁のメンテナンスに豊富な実績があります。最後にワジャサーの特徴をご紹介します。

モルタル外壁の経験豊富な親方が直接対応

ワジャサーの親方は、塗装一筋40年の経験の中で、モルタル外壁のメンテナンスを数多く手がけてきました。築古住宅特有の劣化症状、ひび割れの種類別の補修方法、適切な塗料選びなど、長年の経験を活かしてご対応します。

ひび割れの種類に応じた適切な補修

ワジャサーでは、ひび割れの幅・深さを正確に判断し、ヘアークラック・構造クラック・Vカット対応それぞれに適した補修方法を採用します。「すべてシーリング材で埋めるだけ」のような画一的な対応はいたしません。

モルタル外壁に適した弾性塗料の選択

築年数・立地条件・ご予算に応じて、モルタル外壁に最適な弾性塗料・透湿性塗料をご提案します。塗料の特性を理解した上で、長期的に持続する塗装をご提案します。

下塗り2回の4回塗りを標準仕様に

築年数の経過したモルタル外壁では、塗料の吸い込みが激しくなっています。ワジャサーでは下塗りを2回行う「4回塗り」を標準仕様としており、塗膜の基礎を二重に補強します。

Vカット工法の確実な施工

深いひび割れに対しては、Vカット工法で確実に補修します。表面だけの簡易補修で済ますことはありません。

塗装か張り替えかの正直な判断

築40年以上のモルタル外壁では、塗装と張り替えのどちらが最適か正直に診断します。「築年数が古いから張り替え」と一律に提案することはありません。塗装で対処できる住宅は、塗装でご提案します。

まとめ:モルタル外壁は弾性塗料と適切な補修で長持ちさせる

モルタル外壁は、サイディング外壁とは異なる特徴を持つ外壁材です。職人の腕で品質が決まり、防水機能は塗膜に依存し、ひび割れが発生しやすい── これらを踏まえた上で、適切なメンテナンスを行うことが、長持ちさせるコツです。

塗料選びでは、ひび割れ追従性のある「弾性塗料」と、湿気を逃がす「透湿性のある塗料」が推奨されます。塗料グレード(シリコン・ラジカル・フッ素・無機)を選ぶ際も、これらの特性を備えた塗料の中から選ぶ必要があります。

ひび割れ補修では、その種類(ヘアークラック・構造クラック・深いクラック)に応じて、適切な補修方法(弾性フィラー・シーリング材・Vカット工法)を選ぶことが重要です。「ひび割れを塗装で隠すだけ」の手抜き工事には注意してください。

築40年以上のモルタル外壁では、サイディングへの張り替え(カバー工法)も選択肢になります。ただし、メンテナンスを続けてきた住宅では、塗装で十分対応できるケースもあるため、現地診断で正確に判断することが大切です。

モルタル外壁のメンテナンスをご検討中の方は、ぜひ一度ワジャサーの無料診断をご利用ください。塗装一筋40年・1都3県16,000件超の親方が、直接お伺いし、塗装で対処できるか、張り替えが必要か、正直にご提案いたします。営業電話は一切いたしません。