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2026年5月4日

屋根のカバー工法と葺き替え、どちらを選ぶべき?塗装一筋40年の親方が判断基準を解説

屋根のリフォームを検討するとき、塗装では対処できないほど劣化が進んでいる場合、選択肢は「カバー工法」と「葺き替え」の2つになります。どちらも100万円を超える大きな工事で、業者によって提案が異なることも珍しくありません。「うちはどちらを選ぶべきか」と迷われる方は多いはずです。

結論からお伝えすると、屋根材が劣化しているが下地は健全な場合はカバー工法、屋根材と下地の両方が劣化している場合は葺き替えが、原則的な判断基準です。ただし、屋根材にアスベストが含まれている可能性がある住宅(2004年以前築)では、撤去費用の関係でカバー工法が経済的なケースもあります。

東京・神奈川・千葉・埼玉で塗装一筋40年・16,000件超を施工してきた職人直営のワジャサーが、カバー工法と葺き替えの違い、判断基準、屋根材の選び方、注意すべき業者の手口を、現場経験から正直にお伝えします。

屋根のリフォーム工法は3種類

まず、屋根のリフォームには3つの選択肢があります。状態に応じて、適切な工法を選びます。

工法1:屋根塗装(軽症)

屋根材自体は健全で、塗膜の劣化のみが見られる場合に選ぶ工法です。費用が最も安く、工期も短く済みます。築10〜20年前後の住宅で、屋根材に大きな損傷がない場合に該当します。

詳しくは別記事「屋根塗装の必要性と外壁との同時施工メリット」をご参照ください。

工法2:屋根カバー工法(中症)

既存の屋根材の上に、新しい屋根材を重ね張りする工法です。塗装では対処できないが、下地は健全な場合に選びます。

工法3:屋根葺き替え(重症)

既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根材を施工する工法です。屋根材と下地の両方が著しく劣化している場合に選びます。

この記事では、特に判断が難しいカバー工法と葺き替えの違いを中心に解説します。

屋根カバー工法とは

カバー工法(重ね葺き、または重ね張りとも呼ばれます)について、詳しく解説します。

工法の内容

既存の屋根材を撤去せず、その上に防水シート(ルーフィング)を敷き、さらに新しい屋根材を重ね張りする工法です。新しく使われる屋根材は、軽量で耐久性のあるガルバリウム鋼板が選ばれることが多くなっています。

工程の概要は次の通りです。

  1. 既存の屋根を清掃する

  2. 既存屋根の上に防水シート(ルーフィング)を敷く

  3. 新しい屋根材を固定する

  4. 棟(屋根の頂部)の処理を行う

  5. 雪止め金具などの付属部品を取り付ける

カバー工法のメリット

カバー工法には、葺き替えと比較して大きなメリットがあります。

  • 既存屋根の撤去費用が不要:屋根材の撤去・廃棄処分費用がかからない

  • 工期が短い:3〜7日程度で完了するケースが多い

  • アスベスト含有屋根材でも安全:撤去しないため、アスベスト粉塵を飛散させない

  • 二重屋根による断熱性能向上:屋根が2層になることで、夏の暑さ・冬の寒さが軽減される

  • 既存屋根の防水機能も維持される:万一新しい屋根に問題が発生しても、下に旧屋根があるため雨漏りのリスクが低い

カバー工法のデメリット

一方、カバー工法には注意すべきデメリットもあります。

  • 屋根の重量が増える:屋根が2層になるため、建物への重量負荷が増える

  • 下地が傷んでいる場合は適用できない:屋根材の下の野地板(下地)が腐食している場合は、葺き替えが必要

  • 瓦屋根には適用しにくい:瓦の上にカバー工法を施工するのは困難で、葺き替えが推奨される

  • 将来的に葺き替えが必要になる:カバー工法はあくまで応急処置的な側面もあり、最終的には葺き替えが必要になる時期が来る

屋根葺き替えとは

屋根葺き替えについて、詳しく解説します。

工法の内容

既存の屋根材を全て撤去し、必要に応じて野地板(下地)も新しくした上で、新しい屋根材を施工する工法です。屋根全体をリニューアルすることになります。

工程の概要は次の通りです。

  1. 既存の屋根材を全て撤去する

  2. 野地板の状態を確認し、必要に応じて補修・交換する

  3. 新しい防水シート(ルーフィング)を敷く

  4. 新しい屋根材を固定する

  5. 棟・雨樋などの付属部品を施工する

葺き替えのメリット

葺き替えには、根本的な解決を実現するメリットがあります。

  • 屋根全体を新しくできる:屋根材・下地・防水シートすべてが新しくなる

  • 下地の補修も同時に行える:野地板の腐食や、雨漏りの原因箇所も同時に修復できる

  • 屋根の重量を選択できる:軽量な屋根材を選べば、耐震性能を向上させられる

  • 耐用年数が最も長い:30年以上のメンテナンス不要期間が期待できる

  • 屋根材の選択肢が広い:瓦・ガルバリウム鋼板・アスファルトシングルなど自由に選べる

葺き替えのデメリット

葺き替えには、相応のデメリットもあります。

  • 費用が最も高い:3工法の中で最高額になる

  • 工期が長い:1〜2週間程度かかる

  • 撤去・処分費用が発生する:既存屋根材の撤去・廃棄費用が必要

  • アスベスト含有屋根材の場合は撤去費用がさらに高額に:特殊な撤去作業と専門的な処分が必要

  • 施工中に雨が降ると影響が大きい:屋根を撤去している期間は雨対策が必要

カバー工法と葺き替えの比較

カバー工法と葺き替えを、5つの観点で比較します。

観点

カバー工法

葺き替え

費用

葺き替えの約60〜70%程度

最も高額

工期

3〜7日

1〜2週間

耐用年数

20〜30年

30年以上

屋根の重量

増える

選択可能(軽量化も可)

下地の補修

できない

同時に可能

アスベスト撤去

不要

必要(高額)

施工中の雨対策

比較的安全

注意が必要

将来の選択肢

いずれ葺き替えが必要

次のメンテナンスまで長期

それぞれに長所と短所があるため、ご自宅の状況と将来計画に応じて選ぶ必要があります。

「カバー工法」が向いている家

以下の条件に当てはまる住宅では、カバー工法が向いています。

  • 屋根材は劣化しているが、下地(野地板)は健全である

  • 屋根材にアスベストが含まれている可能性がある(2004年以前築)

  • 工期を短く済ませたい

  • 費用を葺き替えより抑えたい

  • 雨漏りはまだ発生していない、または部分的に留まっている

  • 建物が屋根重量増を許容できる構造である

  • 既存の屋根材がスレート屋根である

ワジャサーでは、築20〜30年で屋根材の劣化が見られるが、下地は健全な住宅で、カバー工法をご提案するケースが多くあります。

「葺き替え」が向いている家

以下の条件に当てはまる住宅では、葺き替えが必要です。

  • 屋根材と下地(野地板)の両方が著しく劣化している

  • 雨漏りが既に発生している、または広範囲で雨水侵入の形跡がある

  • 屋根の構造材まで影響が及んでいる

  • 屋根を軽量化して耐震性能を向上させたい

  • 瓦屋根で、瓦の落下や割れが多発している

  • カバー工法を以前行った住宅で、再度のカバー工法は重量的に難しい

  • 長期間(30年以上)のメンテナンス不要期間を確保したい

葺き替えは費用と工期が大きい工事ですが、屋根全体をリニューアルできるため、長期的な視点では合理的な選択です。

屋根材の選び方

カバー工法・葺き替え、いずれの場合も、新しい屋根材を選ぶ必要があります。代表的な選択肢をご紹介します。

ガルバリウム鋼板

現代の屋根リフォームで最も多く選ばれている素材です。アルミニウムと亜鉛のメッキを施した金属屋根材で、軽量・高耐久・サビにくいという特性があります。

  • 耐用年数:30〜50年

  • 重量:軽量(瓦の約1/10)

  • メリット:軽量で耐震性向上、デザイン豊富、防水性高い

  • デメリット:金属のため断熱性は低め(断熱材一体型製品で改善可能)

アスファルトシングル

繊維基材にアスファルトを塗布した、シート状の屋根材です。柔軟性があり、複雑な屋根形状にも対応できます。

  • 耐用年数:20〜30年

  • 重量:軽量

  • メリット:施工しやすい、防音性が高い、デザイン性

  • デメリット:強風に弱い場合がある

瓦(葺き替えのみ)

伝統的な日本の屋根材で、陶器瓦・和瓦・洋瓦などがあります。葺き替えで使用するケースが中心です。

  • 耐用年数:50年以上(瓦自体は半永久的)

  • 重量:重い

  • メリット:耐久性最高、断熱性高い、メンテナンス頻度低い

  • デメリット:重量があり耐震性に影響、初期費用高い

アスベスト含有屋根材への注意

築年数が古い住宅では、屋根材にアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。これは葺き替え・カバー工法の選択に大きく影響する要素です。

アスベストが含まれている可能性のある屋根材

2004年(平成16年)以前に建てられた住宅のスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。代表的な製品としては、カラーベスト・コロニアル(古い製品)などがあります。

2006年(平成18年)以降に製造された屋根材にはアスベストは含まれていません。築年数が新しい住宅は、アスベストの心配はありません。

アスベスト含有屋根材の撤去には特殊な処置が必要

アスベスト含有屋根材を葺き替える場合、通常の撤去作業ではなく、専門資格を持った業者による特殊な処置が必要になります。粉塵の飛散を防ぐための養生、専門業者による撤去、特殊な処分施設への運搬など、通常の屋根材より大幅に費用が高くなります。

具体的には、通常の撤去費用に加えて、数十万円から100万円以上の追加費用が発生するケースもあります。

アスベスト含有屋根材ではカバー工法が経済的な場合も

撤去せずに重ね張りするカバー工法であれば、アスベスト粉塵の飛散リスクがなく、撤去費用も発生しません。このため、アスベスト含有屋根材の場合は、カバー工法のほうが経済的なケースが多くあります。

ただし、最終的にはいつか葺き替えが必要になり、その時には撤去費用が発生します。長期的なメンテナンス計画と合わせて検討する必要があります。

ご自宅の屋根材にアスベストが含まれているかどうかは、現地診断時にワジャサーの親方が判断します。気になる方はご相談時にお問い合わせください。

注意すべき業者の手口

屋根リフォームに関連して、注意すべき悪徳業者の手口を3つご紹介します。

手口1:不必要な葺き替えを提案

カバー工法で十分対応できる状態なのに、より高額な葺き替えを提案する業者があります。「カバー工法では長持ちしません」「葺き替えのほうが結局安く済みます」など、合理的な根拠なく葺き替えを勧める場合は、別の業者に診断を依頼することをおすすめします。

手口2:必要なのにカバー工法で済ます

逆に、葺き替えが必要な状態(下地が劣化、雨漏りが進行)なのに、費用を抑えるためにカバー工法を勧める業者もあります。下地が傷んだ状態でカバー工法を行っても、根本的な問題は解決せず、数年で雨漏りが再発するケースがあります。

下地の状態は、屋根材を一部撤去しないと正確に判断できません。「下地もしっかり確認してからプランを提案する」業者を選ぶことが大切です。

手口3:アスベストの説明を省略

築年数の古い住宅で、屋根材にアスベストが含まれている可能性があるにもかかわらず、その説明を省略する業者があります。葺き替えを契約してから「アスベストが含まれていたので追加費用が必要」と告げられるケースがあります。

築2004年以前の住宅の場合、見積もり段階で必ずアスベストの可能性について確認することをおすすめします。

悪徳業者の見分け方については、別記事「外壁塗装の悪徳業者を見分ける12のチェックポイント」もご参照ください。

ワジャサーの屋根工事

ワジャサーの屋根工事の特徴を、最後にご紹介します。

現地診断で適切な工法を判断

ワジャサーでは、屋根の状態を現地診断で正確に把握した上で、塗装・カバー工法・葺き替えの中から最適な工法をご提案します。お客様のご予算・将来計画・建物の状態を総合的に判断するため、無理な工事提案は致しません。

アスベスト含有屋根材の判断

築2004年以前の住宅では、屋根材のアスベスト含有可能性を確認し、適切な工法をご提案します。葺き替えとカバー工法の費用比較も、アスベスト要素を含めて誠実にお伝えします。

下地の状態確認を徹底

カバー工法をご提案する場合も、必要に応じて屋根材の一部を撤去して下地の状態を確認します。下地が傷んでいるのにカバー工法で済ます手抜きは行いません。

フルパック価格でご提案

ワジャサーのお見積もりは、屋根工事も含めたフルパック価格でご提示します。後から追加費用が発生することは原則ありません。

まとめ:屋根の状態に応じた工法選びが最重要

屋根のカバー工法と葺き替えは、それぞれに長所と短所があります。屋根材は劣化しているが下地が健全な場合はカバー工法、屋根材と下地の両方が劣化している場合は葺き替えが、原則的な判断基準です。

築2004年以前の住宅では、屋根材にアスベストが含まれている可能性があり、葺き替えの場合は撤去費用が大幅に高くなります。この場合、カバー工法のほうが経済的なケースもあるため、専門業者の正確な判断が必要です。

業者の中には、必要以上に高額な葺き替えを勧めたり、逆に必要な葺き替えを省略してカバー工法で済ます業者もいます。複数の業者で診断を受け、見積書の内訳と工法選択の理由を比較することが、失敗を避けるコツです。

屋根のリフォームをご検討の方は、ぜひ一度ワジャサーの無料診断をご利用ください。塗装一筋40年・1都3県16,000件超の親方が、直接お伺いし、屋根の状態を正確に診断した上で、最適な工法(塗装・カバー工法・葺き替え)を正直にご提案いたします。営業電話は一切いたしません。